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リノベーションするなら、正しいアスベスト対策を

リノベーションコラム|アスベスト

リノベーション工事で古い建物を解体する際には、「アスベスト」に気をつける必要があります。健康被害を与える建材として大きな社会問題にもなった「アスベスト」。2022年4月からは、リフォーム工事前のアスベスト調査が義務化されました。

では、この「アスベスト」とは?どんな被害があるの?など知っておくべきポイントに付いて、まとめてみました。

アスベスト(石綿)とは

アスベスト(石綿)は天然にできた鉱物資源で「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。土の中から採掘される鉱物資源ですが、名前のとおり綿のように軽く細い繊維で、熱や摩擦に強いという特徴を持っています。そのため断熱・保温材として建物を造る際に多く使用されてきました。

アスベストを使った建材製品は戦後1955年頃から使われ始め、1960年代に建てられた家や施設などに多く使用されていました。

その後、アスベストには発がん性があることが判明し、1975年には吹付け石綿の使用が禁止され、2004年には原則使用禁止となっています。

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アスベストの健康被害

先程ご紹介したとおり、アスベストは非常に軽く細い繊維で、加工や破損で空中に飛び散る(飛散する)と、空気中に浮遊します。その空気を人が吸うと肺の奥に入って沈着、体内に何十年もとどまって、肺の線維化や肺がん、悪性中皮腫などの病気を引き起こす要因になります。潜伏期間があるため、時間が経ってから発症するのが特徴です。

肺線維症(石綿肺・じん肺)

肺が線維化してしまう病気です。長い期間アスベストの粉塵を吸入した場合に起こると言われています。潜伏期間は15~20年です。

肺がん

アスベストが肺がんを引き起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、体内に長期間滞留しているアスベストの刺激により肺がんが発生すると言われています。発症までの潜伏期間は15~40年と言われています。

悪性中皮腫

胸膜や腹膜などにできる悪性の腫瘍です。潜伏期間は40〜50年と非常に長いといわれています。

どの病気も潜伏期間が長いこと、進行するまで自覚症状が出ないということもあり、対応が遅れてしまう可能性があります。また、検査(胸部X線写真)を行ってもよほど大量のアスベストを吸い込んでいないと、写真に映らないため発見が難しいと言われています。

アスベストの対策

これまではリノベーションの際に必要に応じてアスベストの調査を行っていました。しかし、大気汚染防止法および石綿障害予防規則の改正により2022年4月からは全てのリフォーム工事前のアスベスト調査が義務化されました。

調査の結果、アスベストが使用されていることがわかったら、リノベーションを行う前にアスベストを除去する必要があります。

アスベストの除去は専門の業者への依頼が必要です。DIYなどご自身でのリフォーム・リノベーションを検討されている方も必ず専門業者に相談し、調査・除去をしてもらうようにしましょう。

最後に

一時期はその不燃・断熱などの高い性能で、多く使用されていたアスベスト。重大な健康被害を及ぼすことがわかり、現在では使用を禁止されていますが、古い建物の中にはアスベストを使っている可能性があります。解体時に飛散することで、その後の健康に大きな影響を及ぼしかねないので、必ず事前に調査と適切なカタチでの除去を行い、安心して暮らせる住まいを造りましょう。

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