これまで日本の住宅は「スクラップ&ビルド」の考え方で作られてきました。築30年前後で建物を壊して、また新築住宅を建てることの繰り返しです。
しかし近年は、価値あるものをメンテナンスして長く使う「ストック型」へ移行してきています。この流れを受けて国土交通省は2009年に「長期優良化住宅」の認定制度を開始しました。長期優良化住宅は定期的にメンテナンスを行えば数世代に渡って住み続けられるように建てられた家のことで、この認定を受けるには「住宅履歴情報」の保管を義務付けられています。
住宅履歴情報とは
では住宅履歴情報とはどういったものでしょうか。
竣工時の設計や仕様、その後のメンテナンスやリフォーム・リノベーションの履歴など、その住宅に関わる出来事が記載されている言うなれば「履歴書」のようなものです。
具体的には新築時の図面や建築確認書類、点検の結果などが記載されています。
住宅履歴情報を活用するメリット
住宅履歴情報の保管は「住宅の所有者」に義務付けられていますが、きちんと保存しておくことによって受けられるメリットもあります。
1.メンテンナンス・リフォームの計画を立てやすい
竣工時の仕様やこれまでのメンテナンス・リフォームの記録から現状を把握できるので、今後必要な維持管理の内容や時期の計画がしやすくなります。
2.売却時に有利
売却時の買取査定ではこの住宅履歴情報の有無によって資産価値が変動する傾向があります。また適正な評価をしてもらえるので、より好条件での売却が期待できます。
3.不具合発生時に迅速な対応が可能に
突然不具合が発生した際にも、使用されている部材やメンテナンス履歴が分かるので原因の特定や復旧の手配がスムーズです。結果として迅速に対応してもらうことが可能になります。
最後に
リノベーションを行ったら、その記録もきちんと履歴として残しておく必要があります。依頼した事業者がきちんと施工内容の分かる仕様書を作っているかをきちんと確認しましょう。そして、どのようなカタチで保管できるのかも確認しましょう。事業者によってはWEBで閲覧できるサービスを提供しているところも。
どこの事業者に相談したらいいの?とお悩みの方はぜひリノベーション推進協議会の会員企業にご相談ください。安心・安全の暮らしを実現するお手伝いを致します。
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